ホール・オブ・ジャスティスにて
ティール神殿の判事、オレフ・ウスカーからある依頼を受けた。
それはネヴァーウインターの街の創始者、ハルエス・ネヴァーの墓を捜し出し、遺物を発掘してくるというもの。
ことの始まりは数週間前。
ティール神殿から派遣された発掘部隊の手によりハルエス・ネヴァーの仲間であったミアスラズニア・フェアブレイドの墓がペニンシュラ地区で発見された。
この世紀の発見はネヴァーウインターの街の人々を歓喜させ、いままで発見されなかったハルエス・ネヴァー本人の墓も見つかるのではとの期待も高まった。
しかし、その期待が叶うことはなかった。
突如発生した「死悶の疫」により、墳墓を発見した発掘隊員達は全員死亡。新たな発掘部隊を編成しようにもティール神殿では疫病の対応に追われ、探索に人員を割く余裕もない。
計画はそのまま自然消滅するかのように思われた。
しかし、こんな時だからこそ、落ち込んだ人々の心を鼓舞するためにもハルエス・ネヴァーの遺物を。
それがオレフ判事の考えだった。
そこで手を上げたのが俺というわけ。
「まずは最初に見つけたミアスラズニアの墓へ行き、そこを警備しているブライリーに協力をあおげ。ミアスラズニアの墓はペニンシュラの東側にある家の地下室だ」
オレフ判事から墳墓を調査することを許可する旨が書かれた証書を受け取る。
ペニンシュラ地区から行方不明中の生物の捜索を始めるつもりだったし、これは都合がいいな。
誘惑
野暮用があったので(1つ前の日記参照)ムーンストーン・マスクへ。
オファラとの会話を終え、奥の間へと向かう途中、一人の男に話しかけられた。
さっきからずっとこちらを見ているとは思っていたが、何の用だろう?
男の名はジルズ。”毒の女王”こと女神タローナを信仰するタローナ教団のメンバーのようだ。
犬猿の仲であるティール教団の邪魔をしたいのであろう、ネヴァーの遺物を発見したらオレフではなく俺に渡せと言ってきた。
報酬はオレフの倍出すとも。
・・・報酬が倍!?
う〜む、これは魅力的なお誘いだ。とはいえ、『約束は早いもの勝ち』を信念にしている私としては先に約束したオレフを裏切ることは・・・でもお金・・・。
悩んでいる私をよそめに、ジルズは懐からおもむろに羽ペン立てを取り出してきた。
「これ見てみろよ。ペニンシュラ地区の発掘現場で死に絶えていた奴らから奪ってきたんだ。名前は確かジェイコブとか言ったな。ヘヘヘ」
むっ・・・そんな卑劣なことをする男と取引は出来ない。
「答えはNOだ。その羽ペン立ても返せ」
「へん、くだらない道徳心を出しやがって。後悔するなよ」
ジルズはこちらに向けて羽ペン立てを投げつけると、そのまま足早に去っていった。
・・・後を追って始末しておいたほうが後の禍根にならずにすんだかな。
まぁ、いいか。
ホール・オブ・ジャスティスにて
ムーンストーン・マスクで出来事を報告するため、そして、発掘隊員の遺品である羽ペン立てを返却するため、再びホール・オブ・ジャスティスのオレフ判事を訪ねる。
話を聞いたオレフ判事は酷く憤慨した様子だったが、
「よく報告してくれた、そしてよく遺品を取り返してくれた」
と、いくばくかの報酬を私に渡してくれた。
たまには(?)いいことしないとね。