記憶を失くした男

 私の名前はアム・シガール。いい名前だろ?
 だけど、この名前は本当の名ではないんだ。

 実は私には記憶がない。気が付くと裸のままゴブリンの牢獄に閉じ込められていた。私は誰なのか、なぜ牢に閉じ込められているのか、まったく思い出せない。

 この名前は私と同じ牢屋に捕らえられていたクルターが付けてくれたんだ。
 クルターはトラベラーズギルドのメンバーなんだぜ。トラベラーズギルドってなんなんだい?とは聞かないでくれ。

 そんな私はクルターにそそのかされて看守のゴブリンを殴り殺し、クルターと共にここから脱出することにしたんだ。
 しかし、なんてこったい。牢獄入口の扉に鍵がかかったままで逃げ出すことが出来ないじゃないか。

 そこで私は怪我をしているクルターを残して、一人、下の階層に通じる抜け穴から脱出することにしたんだ。
 待ってろよクルター。すぐに助けに戻るからな。

クルターの救出

 今いるこの階層から再び上の階層に戻ってクルターを助け出すのが最初の目的。
 周囲を見渡しながら少し進むと白骨化した死体を発見。この死体を漁ると、骨とレーザーレギング、そして”アーム”と”ヨック”のルーンが見つかった。
 このルーンを魔法書に記録し、複数のルーン文字を組み合わせて描くことによって呪文を詠唱することが出来るのだ。

ルーン詠唱

 みよ〜ん、とこんな感じ。

 近くに落ちていたタイマツに火をつけ、薄暗い坂道を下っていくと、正面には上りの坂道、そして右手には昇降機のある部屋があった。

 まずは昇降機のある部屋から調査を開始。

 昇降機を動かすための装置を調べると、歯車と歯車を連結するためのロープが必要なことがわかった。
 手元にロープはないので、ひとまずこの部屋を後にする。

 次に坂道を上って奥へと進み、数点のアイテムを入手する。樽の中からは探していたロープも見つかった。
 気になるものとしては、道中に壊れかけの壁があったが、これが押しても殴ってもぶち破れない。なにか特別な道具がないとダメみたいだ。

 再び昇降機のある部屋に戻り、さっそく装置にロープをセットする。そして、昇降機の脇にあるレバーを倒すと、昇降機は音を立てて動き出した。
 よし、大丈夫そうだ。

 昇降機を使って先へ進む前に、説明書に記されている隠し部屋を探すことにした。

 隠し部屋があるとされている部屋でスイッチを探す。
 あれこれ調べていると部屋の左上と右下の一角だけ床の色が違うことに気がついた。このうち、左上の床には岩がのっている。

 試しに左上の床に乗っている岩を全て取り除いてみると・・・なにも起きないな。
 続いて右下の床に乗ってみると、「ガコッ」という音と共に左の壁に隠されていた扉が開いた。だが、現れた扉に向かおうと床から降りた途端、再び「ガコッ」という音と共に扉が閉じた。
 どうやらこの床に重りをのせておかないと扉が閉じてしまうようだ。

 左上の床にのっていた岩を重りとして右下の床にのせると、果たして隠し扉は開いたままだ。
 さっそく隠し部屋へ侵入。
 タイマツを点けて部屋の中を見渡すと、ポーションが数個と小さいカギを発見。
 もちろん全て頂く。

 昇降機で洞穴の一段高い場所に昇り、そこから少し進むと広い部屋に出た。
 部屋にはゴブリンロードが待機しており、その後方には上の階層に通じる上り階段と道を塞ぐ鉄格子が見える。

 やつを倒さないことには先へ進むことはできないであろう。
 短剣を握り締め、ゴブリンロードに斬りかかろうとすると、

「助けに来たぞ、アム・シガール!」

 聞き覚えのある掛け声のした方角に目を向けると、ゴブリンロードの後方からクルターが登場!?
 助けに来たぞって、こっちはあんたを助けるために上の階層を目指していたのですが(汗

 まあ、いい。助けにきた(と言い張る)クルターと共にゴブリンロードとの戦闘を開始した。

 開始したのだが、このクルターがかなり邪魔。誤って攻撃をクルターに当ててしまうと怒って俺を攻撃してくるし、クルターがゴブリンロードにとどめをさすと経験値が入らない。
 助けにきたのか、邪魔しにきたのか、どっちだよ、クルター。

 ゴブリンロードを倒した後、ロードの死体から入手した棒を室内にある壊れたレバーに取り付けて動かすと、道を塞いでいた鉄格子が開いた。
 これで上の階層に行ける。
 そういえばクルターはどうやってこの鉄格子をくぐり抜けてきたのだろう・・・。

 なお、この部屋にある倉庫への扉は途中の隠し部屋で見つけた小さいカギで開くことが出来た。
 もちろん倉庫内のアイテムは全て頂いておく。

 そして、怪我をして動けないとぬかすクルターとはここでお別れ。
「俺もいっしょに行くぞ、アム・シガール!」とか言われなくて本当によかった・・・。

 クルターと別れたアム・シガールはゴブリンのテリトリーを脱出すべく、一人、上の階層へと進むのであった。

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