初のダンジョン制覇

■回顧

 先日、難易度リセットのために積み重ねてきた名声を売却し、無名の冒険者に戻った私。そんな私が最初に手を付けたのは、もちろんダンジョン探索♪
 ダンジョンの難易度は、気が付いた時にはもう手に負えない危険度まで上昇しており、ダンジョン内で出迎えてくれるモンスター達の顔ぶれを見て「あー、ダメだこりゃ」と、入ってすぐに引き返すことしかできなくなっていた。

 それにしても、この気づいた時には敵が強くなっていて手も足も出なくなる感覚、ずいぶんと久しぶりだ。前に体験したのはElder Scroll IVだったか。あの世界はたしか日数経過で敵が徐々に強くなる仕様。今回のELINと同様にメインクエストそっちのけでサブクエストをこなしつつ各地を転々としていたら高レベルの敵しか出現しなくなり、途中からは敵と遭遇したら逃ることしかできなかった。
 こっちの世界は名声を売って難易度を下げられたから助かったものの、これが出来なかったらあの時のように敵から逃げ回りながら宅配物を届けるだけの日々を送っていたことだろう。
 なんというか、私のプレイスタイルとこれらのゲームシステムは相性が悪いのだろうか。

■帰らずの遺跡#1

 難易度リセット後のダンジョン一発目は、拠点からさほど離れていない場所に出現した帰らずの遺跡。パートナーに戦士のコーシーとサポート役のファリスを加えた3人編成で挑む。


 これまでダンジョン探索といえば常設で危険度が固定されている仔犬の洞窟、ナイミール、イークの洞窟の3カ所。いずれも途中の下り階段が鉄扉で封じられており、最下層まで行くことはできない。(ナイミールは別の理由だが) それゆえにネフィアのヌシとやらに出会ったこともない。
 どんな敵が待ち構えているのかとウキウキ気分で遺跡の中へ進入する。

■帰らずの遺跡#2

 ダンジョンの内部は、まあ、いつもと変わらず。出迎えてくれたモンスターも危険度2だけあって見慣れたやつらばかり。私からすると少々物足りないが、駆け出し戦士のコーシーからすると丁度良いぐらいなのではないかと思っている。

 難易度リセットまでしてダンジョン探索を行う一番の理由は、自分もそうだが、主に仲間の戦闘スキル上げのため。仲間が敵に殴られていてもすぐには助けに入らず、重装備や軽装備といった防御スキル強化のために放っておく方向でダンジョン探索を進めていく。
 ただし、物を盗むノームとこちらの所持品を燃やすゴブリンウィザードだけは別。特にゴブリンウィザードには私がコーシーに買い与えた珊瑚の兜を燃やされた恨みがある。あいつだけは見つけ次第、氷の矢なりプチ琥珀なりをぶち込んで私の手で即殺する。

 ダンジョンの探索は順調。前衛にコーシー、後衛にファリス、見守り役の私。
 断じてさぼっているわけではない。見守るのも大事な仕事。前述のように面倒な敵は混ざっていないか、味方のHPは減りすぎていないか、食料や包帯の在庫は十分かなど、注意を払う点は多い。正直、独りのほうが気楽といえば気楽。

 そんな中、ちょっと目を離した隙にコーシーが傭兵にやられてしまった。
 私も昔、相対評価が(雑魚)の傭兵にやられた苦い思い出がある。あいつは本当に接近戦が強い。傭兵とやりあって勝つことが戦闘訓練:初級の卒業試験みたいなものだと思っている。コーシーちゃんはまだその域に達していなかったか。
 などと、妙に上から目線で物を言いつつ、やられたコーシーちゃんを迎えに一旦拠点へ戻った。

■帰らずの遺跡#3

 あらためて帰らずの遺跡へ。
 遺跡を下へ下へと進んでいき、最下層と思われる地下5階に到達した時のこと。
 BGMが少しアップテンポなものに変わり、ヌシの存在を知らせるメッセージが表示された。


 「おー、こんな感じなのかー。このフロアの奥の方に小部屋があって、そこでヌシが待ち構えているのかな。」なんて思っていたら、階段を下りて間もなく、ヌシの方からこちらを出迎えにやってきた。じっとしていられないタイプのようだ。

 このヌシのオークは、フィールドに出現するレア個体モンスターのようなもので、いまの私からすれば大したことない敵。コーシー、ファリスと共にサクッと倒す。

 ヌシのオークを倒すと、レア個体を倒した時と同様にカードと剥製を落とし、さらに豪華な宝箱を落とした。


 また、この遺跡のヌシを倒したことでダンジョン制覇となり、名声を得た。
 この世界に足を踏み入れてからゲーム内日数で1,119日目にして初のダンジョン制覇である。


 依頼の場合、仕事内容によるが、名声の上昇量は+5、カルマ変動は+1。ダンジョンを制覇しただけあって名声とカルマ変動はその5倍と大きい。名声を売ったばかりの私としてはそんなに名声が上がると逆に困る。

 ダンジョンから村へ帰還。不要な魔法書などを出荷箱に投入して就寝。
 そして、翌朝。


 一度のダンジョン探索で得たものとしては過去最高の出荷額となる 2,097オレンを獲得。
 いままでせこせこ稼いできたのがアホみたいに思えてくるが、その積み重ねがあってのこの結果だよと自分を戒める。

■奇跡と神器

 今回のダンジョン探索で初めて(神器)と付いた未鑑定アイテムを入手した。


 これまで私は(奇跡)と付いた未鑑定アイテムがアーティファクトだと思っていたので、魔術師のツネイルに鑑定を頼む際には、「アーティファクトの鑑定お願いしまーす」と635オレン支払ってきた。ツネイルもOKOKと普通に鑑定してくれていた。

 だけど違った。この神器ってのがアーティファクトだった。奇跡の未鑑定アイテムを鑑定するのに635オレンも支払う必要はなかったのだ。
 ああ、もう。これまでいくら無駄な金を使ってきたことになるのだろう。ツネイルもアーティファクトじゃないと気づいていたなら通常料金で鑑定してよ、もう。

 なお、私の初アーティファクトとなった首飾りの性能がこちら。


 さすがはアーティファクト。腐ったものが食える。

■森はもう嫌

 今回、もう一カ所ダンジョン探索へ行った。
 名は神秘的な森。危険度は帰らずの遺跡と同じ2。


 ダンジョンとしては初の野外マップになるこの場所で苦戦したのが画面の暗さ。

 これが昼間。


 これが夜間。


 とにかく見づらい。もちろん照明器具は持っている。それでもこの暗さ。あまりにも見づらいので暗視のポーションを飲んだのだが、ほぼ変化なし。なぜ外部の光が届かないはずの洞窟や遺跡よりも暗いのよと。

 そこら辺のフィールドでも夜の時間帯は嫌なのに障害物だらけのダンジョン内をこの暗く見づらい画面をジッと見続けて進むのは耐えられない。目にかなりの負担がかかる。もう二度と森マップには近づかないことを決めた。

■本当の敵

 神秘的な森のヌシを倒すと帰らずの遺跡のヌシを倒した時と同様に豪華な宝箱を落とした。しかし、今回は鍵が掛かっていて開けることができない。
 それなら村に持ち帰るしかないよねと豪華な宝箱を持ち上げる。重量は超過状態だがなんとか村までは辿り着けるだろう。

 その帰り道。転倒した際に宝箱の重みに耐えきれず、潰れて死んだ。
 つい先日もこんな間抜けな死に方をした覚えがある・・・。

 なんてことはない。宝箱はその場に置いておき、一旦村に戻って余計なアイテムを置いた後、宝箱を拾いに来ればよかっただけの話である。しかし、この一時的に出現するダンジョンがどれぐらいの期間残っているかわからない。もしかしたら村に戻っている間に消えてしまう可能性だってある。それを考えると重量超過だろうがなんだろうが宝箱を持ち帰るより他に選択肢はなかった。だってもったいないじゃん!

 自分を殺す本当の敵は自分の欲だったという話。

 それはそうと、


 この積もり積もった欲の山、いい加減どうにかしたい。
 開錠スキルを教えてくれるトレーナーどこー。

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