挫折、そして

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■挫折

　行き詰った。

　ダンジョンの危険度は20を超え、依頼も危険度が高いものばかり。どちらも手を出せなくなってしまった。それならのんびりスローライフでもすればいいじゃないと思うかもしれないが、クソみたいな納税システムのせいで立ち止まることは許されず、毎月5,000超のオレンを稼ぐために働き続けなくてはいけない。

　おまけにこういう時に限って発症するのがしょうもないエーテル病。いい加減にしろよと。

　はぁ・・・もう疲れたよパトラッシュ・・・。

　それもこれも悪いのは名声のせいだ。名声が高くなったからこんなことになってるんだ。もうこんなものいらない！

　そこで私が向かったのはミシリアの街にいる情報屋。きゃつらに名声を買い取ってもらい、無名の冒険者として出直すことを決めた。

■名声を売る＃１

　今回名声を売ることを決めた理由は、前述のように行き詰りを覚えたことも挙げられるが、それよりも大きな理由がこれ。

　ついに鋼のつるはしを手に入れたのだ。いやっはー！

　情報屋に名声を買ってもらおうと考えたことはこれまでもたびたびあった。ただ、名声の高まりと同時に出現する鉱石の種類が増えていく様を見て、もっと硬度の高い鉱石が現れるかもしれない、ラピスやオニキスの鉱脈を採掘できる鉱石が、と踏み切れずにいた。
　今回、それらの鉱脈に歯が立つ鋼のつるはしを手に入れたことで名声を売ることに対する憂いがなくなった。

　この新たな鉱石を掘れるようになった喜び。銅の大きな岩を掘れるようになった時以来だよ。

■名声を売る＃２

　ミシリアの街に到着した私は、さっそく酒場にいる情報屋の元へ向かう。
　情報屋は私が名声を売る理由が金のためだと思っているようだ。

　金が欲しいんです、と、敵が強いから売るだけです。どちらが格好がつくだろう。
　そんなどうでもいいことを考えながら適当に答えをはぐらかして名声を売る。

　うっひょー、気持ちいいぃ。名声を売るたびに体の中にたまっていた邪気・邪念が消えていくようだ。

●Before

●After

　名声は、1,676から49まで減少。これに伴い、納税額も3,000オレン減少。本当は500残しの予定だったが気持ちよすぎてついつい売りすぎてしまった。あれはクセになる。
　でもこれで身も心も納税額も軽くなったぞ！　もっと早く売っておけばよかったぞ！

　なお、名声を売っても冒険者ランキングに変動はないもよう、

　またランクＦから出直しでも良かったんだけどね。拠点と違ってランキング報酬もないし。

■名声を売る＃３

　さて、今回名声を売ったことにより、依頼の難易度は大幅に低下。出現するダンジョンも危険度２～３まで下がった。これでようやくナイミール以外のダンジョンにも行けるだろう。
　私自身もそうだが、一緒に行動する仲間が育っておらず、敵に太刀打ちできない状態でほとほと困っていた。だが、これでようやくこの閉塞した状況を打破できるかもしれない。

　話は変わるが、今思うと依頼でお金を稼いで納税という行為は間違っていたのかもしれない。依頼をこなすと名声があがる。結果、納税額も増える。ダンジョン探索なら名声を上げることなくお金を稼ぐことができ、なおかつ、戦闘系スキルを無理なく鍛えることができる。
　１からリスタートする際にはここら辺も意識してみようと思う。

　さて、名声を売って難易度をリセットしたことだし、ここらで一回締めますかね。
　自己研鑽編と銘打ったものの特にそれっぽいことはしてこなかった気がする。活動を振り返ると拠点自立編、最終的には挫折編ってところか。どういう展開になるのかは成り行き次第だし、まあ気にしない気にしない。