避寒の旅立ち

■避寒の旅立ち

 もう雪は嫌だ。雪が融けるまで暖かい南の地に逃げよう。避暑ならぬ避寒だ。

 そう思い立ち、私は南の地へ旅立つことにした。南方面はまだミシリアまでしか行った事がない。きっと長い旅になるだろう。
 私はミシリアで保存食となるパンをいくつか購入し、ミシリアから街道を南へ歩み始めた。

■旅の終わり

 私は世界の南端に到着した。


 はやっ! という言葉が思わず口から漏れる。まだミシリアを出発して1日も経っていないのにもう旅が終わってしまった。

 現在地をミニマップで確認。


 うわぁ。これ、思ったよりも世界は狭いかもしれない。この調子だと右上の方の雪原地帯も行けるかどうか怪しいぞ。

■ウィロウの砦

 これ以上進めないなら仕方ない。私は街道から少し離れた小高い所に見える砦へ立ち寄って帰ることにした。

 この砦はウィロウの名前らしい。砦というだけあって砦の外にも内庭にも傭兵たちの姿が数多く見受けられる。
 しかし、砦の中に入ると様子は一変。無骨な外観からは想像できないような豪華な内装になっており、さながらどこかの王宮のよう。
 それもそのはず。この砦は、この地を150年の長きにわたって治める辺境公ことシェトラウス公の居城でもあったのだ。

 と、写真を撮り忘れたので頑張って文字で説明してみた。

 この砦で気になったものと言えばバーベキューテーブルだろうか。これを使えばゆで卵を作ることができる。焚き火でも吊るし鍋でも作れなかった幻の卵料理、ゆで卵の調理器具がようやく判明した。

 行きかけの駄賃というわけではないが、砦のトレーナーから詠唱と投資の技能を教えてもらい、私はウィロウの砦を後にした。

■お年玉

 拠点に戻ると郵便受けにお年玉が入っていた。旅に出ている間に年を越したようだ。


 お年玉をもらうなんて何十年ぶりだろう。
 そう思いながらお年玉袋を開けると、中から白い物体が勢いよく飛び出してきた。


 雪にくるまれたプチこと雪プチ。一応住人扱いらしい。仕事は私と同じゴミ漁り。
 コンゴトモヨロシク。

 雪プチの他に、これはいつから拠点にいるのか、ベルがいた。ベルといっても間違った出会いの場を求めた人ではない。


 正真正銘のベル。ついに無機質の物体まで動き出した。

■はああああ?

 住人掲示板で雪プチくんの情報を確認した後、ついでにホーム掲示板を覗いてみると


 ちょっと待ってよー。急に税金が2倍以上に増えてるじゃん。
 有名税は評価の2倍として、基本税金は何を基に算出されているのだろう。500だったものが年を越したら1,000になったってことは、経過年数×500か? いずれにせよ、安定した収入源がないのに毎月1,000はきつい。

 「税金払ってるんだから拠点の除雪ぐらいして欲しいわ」とぼやきつつ、本日の活動は終了。
 雪が融けるまで旅行でもして過ごそうかと思っていたが依頼出稼ぎにいかないとダメかもしれぬ。

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