黄金色の誘惑

■ロイテル去る

 相棒のロイテルがうちの村から去っていった。

 事の発端はバルミアからやってきた2組の旅人、盲目の錬金術師ケトルとその従者である炎髪灼眼の少女クルイツゥアがうちの村に住みついたことだった。


 この2人と交流を深めていくうちにロイテルがケトルに対して「錬金術師なら金塊を錬成してみろ(意訳)」と絡みだした。それに対してケトルは「ヴェルニースの廃坑でまだ掘れるかもよ(意訳)」と返答。これを真に受けたロイテルがその気になってしまい、やる気満々でヴェルニースへ行ってしまったのだ。
 まだうちの村の開発も半ばなのに何をやってるんだかなあと呆れるしかない。ケトルもケトルで余計なことを言ってくれたもんだ。

 このままロイテルのことは忘れてファリスと二人でダンジョン探索に向かっても良いのだが、ようやく3人パーティーを組めるところまできたのだ。ここでロイテルを手放すわけにはいかない。
 金塊に目がくらんだロイテルを連れ戻せるかはわからないが、とりあえずヴェルニースへ行ってみることにした。

■ヴェルニースにて#1

 ヴェルニースは、うちの村から街道を北へ進んだところにある廃坑。この世界で冒険を初めて間もない頃に一度だけ訪れたことがある。もっとも廃坑というだけあって人の姿は既になく、鶏が数羽うろうろしていただけ。その後は近づきもしなかった。

 ヴェルニースに到着。ロイテルは、ヴェルニースの中心部にある少し小高い場所で野宿をしていた。


 ロイテルに話しかけ、村に戻るように説得するも、彼は聞く耳を持たない。いまのロイテルの頭の中にはここを金塊掘削のための新たな拠点として立ち上げることしかないようだ。
 しかたないのでしばらくロイテルに付き合うことにした。

 ロイテルがいうには、まずは炭坑の入口を塞ぐ巨大な岩を破壊しなくてはいけない。そのためにはフラムという爆弾を使うのがいいとのことで、ロイテルからフラムのレシピを渡された。


 フラムの材料は石と硫黄。どちらもヴェルニース内で掘削可能。前に来た時はつるはしの性能不足もあって硫黄は掘れなかったが、いまの私ならお茶の子さいさい。簡単に掘れる。

 そして、集めた材料を基に簡易製作からフラムを製作。


 フラムは投擲武器。これを巨大な岩目掛けてぶん投げれば良いのかなと、試しにぶん投げてみる。



 おお、これは気持ちいい。あの巨大な岩が一瞬で砕け散った。
 これを使えばダンジョン内を簡単に更地にできるんじゃないか。もっとはやくレシピを教えてほしかったぞ。

 炭坑入口前の岩をどかしたのでロイテルに報告。しかし、入口だけではなくヴェルニース内にあるすべての岩を破壊しないといけないようで、もう一回行ってこいと言われてしまった。まあ、フラム投げ楽しいからいいけどさ。

 この後、巨大な岩を次々と破壊。一度だけファリスを爆発に巻き込んで殺しかけてしまったが、なんとか許してもらえた。彼女の心の広さと頑丈さに感謝したい。

■ヴェルニースにて#2

 ヴェルニース内の巨大な岩を全て破壊した後、あらためてロイテルに報告。するとロイテルからこの地を新たな拠点にするようにと土地の契約書を渡される。

 でも、ちょっと待ってくださいよと。はっきり言おう。拠点2つ運営したくない。拠点を1つに絞ってじっくり育てていきたいのよ、私は。そもそも今の拠点でさえ整備不足なのに新しい拠点を整備しろったって、それは無理です。手が回らない。

 そして、1つ懸念がある。
 ヴェルニースはミシリア領ではなくバルミア領にある土地。そうなるとバルミアにも税金を納めなくてはいけなくなるのではないか?


 土地を獲得しました。まだ、未開発で収入は有りません。でも、税金は納めてくださいね。なんてことになったら困ってしまう。ただでさえミシリアへの納税だけで一杯いっぱいなのにバルミアにまで納税したらもう破産だよ、破産。モンスターではなく税金に殺されるわ。税金がラスボス説まである。

 やる気満々なロイテルには悪いが、私はこの土地を獲得しません。
 仮にこの土地の開発をするとしたら、いまの村が観光などの収入で毎月の納税を賄えるようになってから。言い換えれば村の自立自営が条件・・・。

 と、ここでピンときた。
 今回はここまで明確な目標もなく進めてきたが、これを目標にすればいいのではないかと。

 プリヴェス村の自立自営編、開幕(?)

■ロイテルの帰還

 さて、そうと決まればこんな場所にいても仕方ない。
 ロイテルを仲間に誘い、パーティーに加えて強引に村へ連れ戻す。ただ、連れ戻したところで死亡するなどしてパーティーから離脱するとロイテルはヴェルニースへ戻ってしまうだろう。それでも構わない。その都度連れ戻しにいってやるさ。

 ロイテルを引き連れて村に帰還。
 そこでロイテルに話しかけると


 「この地に移住して欲しい」というコマンド。してほぢいです。いちいち連れ戻しにいくの面倒です、と本音がぽろり。

 これでロイテルは再び村の住人となった。


 これからもよろしく頼むぞ、ロイテル。

 それはそうと、うちの村の正式な住人って下の7人だけなんだよね。


 ケトルとクルイツゥアは仲間にする選択肢すらないから当然として、ロイテルとファリスも厳密に言えば住人ではないらしい。今回のロイテルのようにストーリーが進むといずれ私の前から去っていくのだろうか。
 世の中には仲間だからと木の実をあげて強化したのに途中でいなくなっちゃったなんて酷い話もある。それを考えると、はやく正式な住人を仲間に誘ってパーティーを組めるようになりたい。

本日の戦利品

■その1

 いつものように旅商人の停泊地で吊るし鍋を借り、野菜料理を作ろうとした時のこと。
 鍋の燃料が尽きていたので燃料となる薪をとるために木を伐採していた時に上から降ってきたのがこのプチ入り琥珀。


 これがまあ強いこと強いこと。そこら辺にいるゴブリンやイールなら一発。冷気と電撃による追加ダメージが効いているのか、あのヤドカリも簡単に倒せる。しかも、弓と違って矢を補充する必要もない。さすがに弓は弓で使うので手放しはしないが。

 ここまで強いなら投擲スキルを上げないともったいないと、初めて藁人形相手にスキル上げを実行。


 これまで使ってこなかったことを後悔するレベルの楽さ。投擲スキルはあっというまにレベル5まで上昇。
 槌や弓は実戦で鍛えたからなあ・・・。これで上げておけばよかったよ、ほんと。

 なお、この武器を入手したことでメイン武器を中近兼用の槍から農民らしく鎌に戻した。やはり槍よりも鎌の方が手に持った時にしっくりくる。シックルだけに。

■その2

 そこら辺の平原でレアゴブリンを倒した時に拾ったのか、それとも宝箱に入っていたのか。いつの間にかバックパックに入っていた軽装鎧(奇跡)。


 いままで使っていた体防具が DV(回避)+3、PV(防御) +2 のものだったので防御力が大幅にアップした。「敵の弱点を発見」という目新しい効果にも期待したい。

■その3

 これも上の軽装鎧と同様にいつのまにかバックパックに入っていた手袋(奇跡)。アイコン状態の時に「僕アーティファクトだよ」ってもっとアピールして欲しい。


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