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久しぶりの帰還
■恐怖の手紙
旅先からデスワープして拠点に戻ってきた。拠点を留守にしたのは一週間から十日程度だと思う。
そのわずか数日の間に
どこもかしこもゴミゴミゴミ。もはやゴミ捨て場じゃねーか。
住人たちはおかえりと温かい声をかけてくれるが、その気持ちがあるならゴミを綺麗に片づけて出迎えて欲しかったよ。
溜息を吐きながらゴミを回収していると、たまに落ちているルッツの日記に混じって見慣れぬ紙切れが1枚。
見なかったことにしよう。
というわけにはいかないらしい。
以前、税金のことについて話していたエイシュランドに相談してみると、ミシリアの街に行って納税してこいとのこと。ミシリアの街は、この拠点の南東にあるらしい。
それにしても税金が500オレンって高すぎないか? いままで出荷箱で稼いだお金の総額は700オレンぐらいなのに7割近く持っていかれちゃうじゃないか。
とりあえず手元には金塊が5個ある。なんとか足りるだろう。
私は再び大きな溜息をつきながらミシリアの街へ向かった。
■納税の義務を果たせ
ミシリアの街は拠点から2日程度のところにあった。近くには商人ギルドの建物も見える。
もう気分的に疲れていたので街の入口付近にいたガードに声をかけ、納税箱のところまで案内してもらう。
この納税箱に請求書を使えば納税できるらしい。さっさと済ませてさっさと帰ろう。
そう思い、納税箱を開いたのだが、これが上手くいかない。ログを確認してみると「所持金が足りない」というメッセージ。
え? なんで足りないの? 金塊5個持ってるんですけど?
仕方ないので自分の財布を見てみると
395オレンしかない。100オレン足りない。
あれ? ちょっと待って。このゲームって100オレン超えたら1金塊になるんじゃないの? なんで395オレンあるの? もしかしてオレンと金塊って別物?
金塊は出荷箱で100オレン分稼ぐと1つ手に入る。だから、100オレン=1金塊だと思っていた。もしかして金塊って購入金額 100円につき1枚貰える商店街のシールみたいなものなのか?
そうだとしたら、商店街のシール5枚持ってきて、これ500円ね! って出しても、そりゃダメだよね。
仕方ない。なにか所持品をそこらで売り払って残り100オレン稼ぐしかない。
一旦拠点に戻って出直すほどの気力は、この時の私にはなかった。
■年上の妹
なんとか納税を済ませた。
その際に不足分のオレンを得るために近くの店に立ち寄ったのだが、その店の前にちょっと痛い人がいた。
年上の妹。
この手の人には関わらないのが正解。正解なのだが、ちょっとした出来心で話しかけてしまった。
彼女は「年上の妹ってな〜んだ?」みたいな意味不明な質問をいくつかしてくる。そして、間違った答えを選ぶと「お兄ちゃんじゃない!」と強烈な平手打ちを放つ。その威力は絶大で、2発でHPが0になるほど。
関わってしまったからにはこちらも最後まで付き合おう。
彼女から繰り出される質問に総当たりで答える俺たち。間違えるたびに平手打ち。辺りは血だまり。
何とか最後の答えを導き出し、次はどう来ると身構えていたら「お小遣いちょうだい」ときたもんだ。おにいちゃんお金ないよ。税金でむしり取られて食べるものすらないよ。
私にお金がないことがわかった途端、彼女は行ってしまった。
彼女と出会ったのが税を納めた後で良かった。レッポジレッポジ。
■びっくり箱
観光することもなくミシリアの街から拠点に帰還。年下のお兄ちゃんはもうへとへとです。
エイシュランドに報告した後、拠点内を歩いていると、いつもの日記と一緒に段ボールが落ちていた。
その段ボールを開くと
うわ、びっくりした。人が飛び出てきた。 あれ? 見間違い?
見間違いじゃなかった。
とりあえず彼女に話しかけてみると、他所の街で出会った人のような反応を返してくる。もしかして、これが客人ってやつか? 旅費を浮かすために貨物扱いで来たのだろうか。
この世界はまだまだわからないことだらけだ。