出航の日

 いよいよ船に乗り込み、ナグリ村から出航する日が来た。
 船出前にナグリ村の村長から準備は万全かと必要以上に念を押されたことで、これから何が起こるのか大体の想像はつく。
 この航海は、確実に一筋縄ではいかないだろう。

黒竜来襲

 船に揺られること数日。それまでは晴天続きだった空模様が暗雲に覆われたところから事態は一変する。
 激しい雨と風、荒れ狂う海。突如として襲ってきた嵐は一頭の黒き飛竜をこの海域へと呼び寄せる。
 『ゴア・マガラ』
 名前は後で知ったのだが、奴はこの船を撃沈せんと襲いかかってきた。

 黒竜との戦闘が始まると、団長や看板娘から矢継ぎ早に指示が出る。やれバリスタを使えだの、やれ船首の武器を使えだの、そんな一度に言われても困ってしまう。
 ただ、これらのアドバイスは奴が海上にいる時のもの。奴はいま甲板で暴れているので、そこら辺のアドバイスは聞き流して普通に戦う。

 黒竜と戦っていた私は、知らず知らずのうちに黒竜が撒き散らす謎のウィルスに体を浸食されていた。
 ただ、看板娘からの情報によれば、この謎ウィルスは敵を攻撃し続ければ克服できるらしい。
 それならば何も考えなくていいねとばかりに、一心不乱に剣を振り続ける。

 やがて黒竜は、甲板を離れて海上へと飛び立った。
 奴は船の側面を漂い、こちらの様子をうかがっている。

 これはバリスタによる攻撃のチャンス! とバリスタに駆け寄るも、バリスタには肝心の矢がセットされていない。
 矢を求めて船上を駆け回っていると、槍が立てかけられた場所でバリスタの矢を発見。そもそもこれは槍ではなくバリスタの矢だという話は一先ずおいておく。
 入手した矢をバリスタにセットし、奴に標準をあわせて発射!
 奴がほとんど動かないということもあり、矢は容易に命中させることができた。当然、一発の矢で倒せるはずもなく、奴が海上に出るたびにこれを繰り返す。

 奴の姿が視界から消えた。甲板にも船の側面にもいない。
 どこへ行ったのかと辺りをキョロキョロと見回すと、船首に隠れて奴の羽がチラっと見えた。
 「奴が船の前方にいる時に船首の武器で攻撃しろ」というアドバイスを思い出した私は大急ぎで船首に駆け上がり、船首の頂部に備え付けらた大きなボタンを力一杯叩く。するとクジラを模した船首の口部分から飛び出した巨大な錐が奴の体を貫いた。
 さしもの奴もこれは効いたはずだ。

 その後、甲板に戻ってきた奴に一度倒されたが、その際に倉庫内の支給品BOXからバリスタの矢を5本まとめて入手。これをバリスタで連射し、奴に大ダメージを与えると、奴は観念したかのように空へと飛び立っていった。

 やつを撃退した勝利に浮かれていたのも束の間。逃げ出したはずの奴が再び舞い戻ってきたかと思うと船を目がけて突進してきた。
 奴を迎え撃たんと甲板で待ち構えるも、奴が船に衝突した際の衝撃で海に投げ出されてしまった。

 その後のことはよく覚えていない。

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