調査指令:イャンガルルガ(緊急クエスト)

 ギルドから全てのハンターに向けて『樹海に出現したイャンガルルガを速やかに討伐せよ』との通達が出された。
 私個人としては、下手に樹海探索クエストを達成すると普段の探索時に強敵がしゃしゃり出てくるようになるので、正直やりたくない。しかし、やらないことには話が進まない気もするので、嫌々ながらもクエストを引き受ける。

 イャンガルルガ。初めて聞く名前のモンスターなのでハンターノートで調べると「イャンクックに近い種」「尾に強い毒が隠されている」「怒りやすい」と記載されている。ターゲットが毒を使うとなると防具は毒無効のゲリョス防具が良さそうだ。だが、イャンクックに近い種ということは炎を吐く可能性がある。そうなると火耐性 -20のゲリョス装備は不適合。うーん、困った。

 武具のことで困ったら加工担当に相談だ! と、加工担当のところへ向かい、防具のカタログを見せてもらう。
 さっそく毒+を持つ防具を調べると、ゲリョス以外ではイーオスが該当する。イーオス防具の火耐性は0だが、マイナスになるゲリョスよりはマシだろう。
 それにしても、新たな素材を入手するたびに生産可能な防具が増えていくのは良いが、数が多すぎて性能を把握しきれない。せめて剣士用とガンナー用とで完全に分けてくれるとありがたいのだが。

 地底火山でドスイーオスを狩り、イーオス防具生産に足りない素材を集めた後、加工担当に素材を渡して防具を作ってもらう。
 今回の装備はこうなった。

現在の装備
【武器】シャドーカッター改(片手剣)
【頭防具】イーオスヘルム(研磨珠、耐絶珠)
【体防具】イーオスメイル(研磨珠x2)
【腕防具】イーオスアーム(研磨珠)
【腰防具】イーオスフォールド(研磨珠)
【脚防具】カブラグリーヴ
【護石】闘士の護石

 発動スキルは、砥石高速化、毒無効、オートガード、状態異常攻撃+1。火耐性は、料理効果と合わせて+9。武器は、敵が毒と炎を使うことを考慮して氷属性付きのシャドーカッター改を選択した。
 しかし、この時、重大なミスをひとつ犯していたことを、私は思い知ることになる。

 樹海に到着するやいなや、待ってましたといわんばかりの勢いでイャンガルルガが茂みの奥から飛び出してきた。
 初めて見たイャンガルルガは、ハンターノートの記述通りにイャンクックに近い外見、というか、全身が黒く染まったイャンクックそのもの。行動パターンもイャンクックとほぼ同じだが、クック走りの最中に炎を吐かない。
 これならばそれほど苦労せずに倒せるんじゃないか、なんて思ったが、まだクック先生を倒せていない事を思いだし、考えを改める。

 片手剣で大型モンスターを相手に戦う場合、基本的に攻撃は敵の足下に密着しないと当たらないので、最初は敵の脚部を狙う。イャンガルルガ戦においてもそれは例外ではなく、ガルルガがクック走りの最後に転倒、または、火球を吐き出すタイミングを狙って接近し、脚部に斬撃を与えることになる。
 しかし、ガルルガの場合はこれが非常に難しい。
 ガルルガは、その場でチョンと飛び跳ねたかと思うと一瞬で方向転換し、クチバシが地面にめり込むほどの勢いで2回打ち付ける。これがとにかく超反応で、例え側面や背後から接近したとしても一瞬でこちらに振り返り、頭上からクチバシで叩きつけてくる。はっきり言って反則だ。そのうえ毒を有する尻尾まで振り回すのだから手に負えない。

 私は懸命に戦ったものの、このクチバシ攻撃に対応しきれず、立て続けに2回戦闘不能に陥る。そして、最後は火球に焼かれてクエスト失敗となった。
 無印時代、クック先生の圧倒的な力の前にハンター廃業を決意したあの時の情景が脳裏をよぎる。

 村に戻ってきた私に鍛冶子が「装備を見直してみたら?」と声をかけてきた。いまは敵の毒対策を重視してイーオス防具を装備しているが、ガルルガの羽ばたきで思うように近づけず苦労したのは確かだ。ただ、そうかといって風圧対策重視でアロイ防具にするには防御力と火耐性に難がある。

 ここでふと思う。今の防御力いくつだろう、と。
 慌てて確認してみると、防御力 87。これじゃ敵の攻撃が痛いのは当たり前だ。普段使っているカブラで防御力 110、ゲリョスでさえ防御力 103あるというのに。イーオス防具を作ったところで満足してしまい、防御力をちゃんと確認しなかったのがいけなかった。大失態だ。

 手持ちの鎧玉と上鎧玉を全てイーオス防具に注ぎ込み、防御力を115までアップ。さらに研磨珠の代わりに制火珠をセットし、スキル:火耐性【小】を会得。料理効果と合わせて火耐性は 24となった。
 これで負けたらガルルガは放置して先へ進もう。

 イャンガルルガへのリベンジマッチ。

 イャンガルルガの突進は、動き出しから最高速度に達するため、脚に少し触れただけでも5mは吹っ飛ばされる。一戦目ではこれで不要な(不可解な)ダメージを追ったものだ。そのことを考慮し、ガルルガの前方には極力行かないように心がけて戦う。
 そして、あの厄介な急転回クチバシ攻撃だが、隙を見つけては接近し、一撃加えたらでんぐり返りして退避、という戦い方で対処した。それでも稀に攻撃を受けるのだが、これはどうにもならないなと諦める。
 やがて逃走先のエリアで居眠りを始めたガルルガを落とし穴にはめ、そのまま捕獲。途中で一度戦闘不能に陥ったものの、リベンジを果たした。

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