ハンター廃業

 ダレンモーランに3連敗を喫した私は、ハンターを廃業して故郷に戻るべく荷物の整理を始めた。
 我らが団のハンターとして活動を始めてからちょうど一ヶ月。いろいろあった。毎日つけていた日記も55冊まで増えた。最後に宿敵イャンクックを倒して日記を締めくくりたかったけれど、もうどうでも良い。疲れた。

 なーんて感じで終わりにしようと思ったけれど、どうにもこうにもこのままでは腹の虫が治まらない。あの野郎、絶対に倒してやる! 攻略サイト Privespaの名にかけて!

ダレン・モーランとの再戦に向けて

 ダレン・モーランに4回目の挑戦をすべく準備を開始した。

 武器やタル爆弾による攻撃はダレン相手には効果が薄い。そうなると、もうこれしかない。
「砲術スキル」
 バリスタや大砲の威力を増幅させるスキルだ。素材集めが面倒で後回しにしてきたが、今はこのスキルの可能性にすがるしかない。
 砲術スキルを上げられるのは、主にゲネル・セルタスの素材から生産できるセルタス防具。
 さっそく村クエストからゲネル・セルタス討伐を選択し、ゲネル・セルタスの狩りを開始した。

 天空山でのゲネル・セルタス狩り。
 ゲネルは決して弱くはないが、集会場クエストで戦った個体と比べれば体力も少なく倒しやすい。ペットのアルセルタスの鬱陶しさに辟易しながらも、クエストを4回こなして必要素材を集め終える。

 街に戻り、いよいよ、セルタス防具を作ろうかというところで悩み発生。剣士用とガンナー用、どちらを作ろうか。
 そもそもセルタス防具は、ダレン戦のために作る防具。ダレン戦専用と考えると剣士用よりいっそガンナー用を作った方がいいのではないか? 接近戦を仕掛ける必要もな訳だし。
 さんざん悩んだ結局、ガンナー用のセルタス防具を生産することに決定。ガンナー用の武器としてライトボウガンの生産も同時に依頼する。

 そして装備はこうなった。

対ダレン戦装備(ガンナー用)
【武器】バレットシャワー・碧(抗震珠x2、砲術珠x1)
【頭防具】セルタスキャップ(砲術珠x2)
【体防具】セルタスレジスト(砲術珠x1)
【腕防具】セルタスガード(砲術珠x1)
【腰防具】セルタスコート
【脚防具】セルタスレギンス(早気珠x1)
【護石】闘士の護石(耐震+7)

 発動スキルは、砲術マスター、耐震、徹甲榴弾LV1追加。防御力が99しかないのが心許ない。
 ライトボウガン用の弾は、どれが良いのか今ひとつわからないが、出来るだけレベルの高いものを調合し、持っていく。付け焼き刃なガンナーだが、ダレン戦ではそれほど動き回る必要もないし、なんとかなるだろう。
 出発前ににゃんこ料理で猫の砲撃術を獲得。さらにオトモアイルーも「大砲・バリスタ強化術」スキル所有者を選択。これで手は尽くした。
 んじゃ、いっちょう行ってみますか!

高難度:砂を渡るは錆びた岩船(四度目の挑戦)

 龍撃船に乗り込み、ダレン・モーランの出現を待つ。勝てるかどうか不安な反面、これまで以上にわくわくしている自分がいる。そのせいか、さっきから顔がにやついて仕方がない。
 早く出てこい、ダレン・モーラン。

 ダレン・モーランが龍撃船の右舷に姿を現した。まあ、いつも通りの展開だ。
 私はもさっそくバリスタに矢をつがえると、ダレンの左前脚を狙って矢を射出する。これまでは当たれば何処でもいいと適当に撃っていたが、今回はきっちり狙いを付け、早期の部位破壊を試みる。
 その結果、ダレンの左前脚の破壊に早くも成功。そこからダレンの後頭部へと乗り込んだ私は、ボウガンに矢をつがえると後頭部の突起目がけて射出する。そして、最終決戦前にもかかわらず、突起の破壊に成功。なんか上手くいきすぎて怖い。
 その後、ダレンが地中に潜り込むまでの間、ダレンの後頭部にボウガンの矢を撃ち続けた。

 ダレンが龍撃船の左舷に出現。ここでもダレンの右前脚をバリスタで破壊し、先ほどと同様に後頭部へ攻め込む。良い感じだ。

 船の前方にダレンが出現。撃龍槍による攻撃を試みるも、見事に外す。タイミングが難しい。

 再び船の右舷に現れたダレンに、今度は角の先から頭部へ乗り込み、なんと角の破壊にも成功する。いける、これならいける!

 戦闘開始から20分経過。
 私はダレンの頭部に踏ん張り、ボウガンの矢を撃ち続けているが、まだ最終決戦に移行しない。その上、船の耐久度が残り30%になったというアナウンスが入る。これっておかしくないか? というか、何かやばい。そういえば全然砲撃していない。これが原因か!?
 ここにきてミスを犯したことに気づいた私は、慌ててダレンの頭から飛び降りると龍撃船に戻り、大砲による砲撃を遅まきながらも開始する。

 戦闘時間の経過を示す時計の針が25分に差し掛かる前になんとか最終決戦へ移行。しかし、大砲の砲弾もバリスタの矢も在庫がかなり残っている。もったいない。ボウガンで攻撃している場合ではなかった。

 いよいよ最終決戦。今回は使うだけ無駄だとタル爆弾の類は全く用意していない。

 まずは遠方にいるダレンに近づき、ボウガンで攻撃する。弾が通常弾 Lv1と散弾 Lv1 しか残っていないためダメージは期待できないが、少しでもダメージを与えられるならばと懸命に攻撃する。

 龍撃船にダレンが接近したところでバリスタと大砲による攻撃を開始。
 ダレンが接近しすぎてダレンの頭が龍撃船に乗っかっている状態だが、大銅鑼はさきほど打ち鳴らしたばかりで再使用できない。少しでもダレンを船から離そうと砲弾を運んでは大砲を撃ち放つ。

 やがて、砲弾が尽きた。ダレンはあいかわらず龍撃船に密着して離れる様子もない。このままでは船を壊されてしまう。
 そこで私は一か八かの賭に出た。
 私は船首に駆け上がると、すがる思いで撃龍槍のスイッチを思い切り叩き込む。
 すると、まさかまさか、本来船首部から突き出る撃龍槍が船の側面から突き出たかと思うと船に密着していたダレンの体を貫く。その一撃を受けたダレン・モーランは断末魔を上げ、砂海に倒れ伏した。
 YES! YES!YES!YES! やった、やったよ! ダレン・モーラン倒したよ! てか、最終決戦だと槍は横から出るのかよ! そういうことははやく言ってくれ! こんちくしょうめー!

 見事、ダレンモーランの討伐を果たした私は、ハンターランク4に昇級。上位クエストを受注できるようになり、また、同時に上位探索も解禁された。おまけににゃんこ料理人で扱う食材に酒が追加され、楽しみが増える。
 私のハンター生活はいわばこれからが本番。これからも狩って狩って狩りまくるぞ−!

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