インテレクト・ディヴァウラー
対象者の脳を食らうことによって取り憑く能力を持つインテレクト・ディヴァウラー。
今回、ペニンシュラ刑務所で発生した大脱獄事件は、ディヴァウラーに取り憑かれたアレイフィン看守長によって引き起こされたものだった。
ヤツは今、数人の衛兵と共に自身のねぐらで待ち構えている。
衛兵達はヤツの餌として、また予備の依り代として精神を操作された状態で囚われている。
犠牲者を最小限にするためにも、衛兵達の正気を取り戻し、ねぐらから逃げるように説得しなければならない。
そこでシャルウィンがアレイフィンを抑えている間に俺が衛兵を説得。衛兵達を逃がした後にアレイフィン看守長と彼にとりついているディヴァウラーを倒すという作戦を採ることにした。
覚悟を決め、看守長室に隣接するディヴァウラーのねぐらにいざ突入!
さほど広くない部屋の中にはアレイフィン看守長と虚ろな表情で部屋内を徘徊する衛兵達の姿。衛兵の数は・・・1、2、3・・・4人か。
作戦通りアレイフィンはシャルウィンに任せ、俺はその間に衛兵の説得を試みる。
「おいっ、しっかりしろ! ここから逃げるんだ!」
「マスターの… 邪魔だてをしてはならない… 絶対に… だめだ…」
どうにもうまくいかない。こんなことならば剣術だけでなく、弁論術も習得しておくべきだったか。
・・・仕方ない。衛兵達に残された運命がディヴァウラーに脳を食われ、とりつかれ、そして死んでいくというものであれば、せめて俺の手で人として殺してやる。
苦しまぬよう急所を狙い一撃で衛兵達の命を奪っていく。
衛兵達を全て倒した後、アレイフィンを牽制しているシャルウィンの元へ駆け寄り、そのままアレイフィンを斬り倒す。
次の瞬間、アレイフィンの体から中型犬ほどの大きさの生き物が飛び出してきた。アカデミー襲撃事件の折にチラっとだけ見た記憶があるが、あの醜悪な姿は間違いなくインテレクト・ディヴァウラーだ。
宿り主を殺され、次に寄生する対象を探しているが、衛兵はすでに全員息絶えている。そして俺もシャルウィンもディヴァウラーに寄生されるほど間抜けではない。・・・たぶん。
ディヴァウラーはこちらに狙いを定め、精神干渉を仕掛けてくる。その力は強く、ほとんど抵抗出来ないまま気を失い、時には混乱させられ、身動きを封じられる。
だが、その力も無制限というわけではないようだ。
戦闘開始直後から続く精神攻撃もやがておさまり、ようやく体が自由に動かせるようになった。
ここから反撃開始!
シャルウィンと二人でディヴァウラーを挟むように位置取り、俺は「打ち倒し」でヤツを転ばすことに専念し、ヤツの背後からシャルウィンが攻撃する。
うまくいっているように見えたが、さすがにディヴァウラーは最高ランク脅威度(紫:レベル差8以上)の強敵。先に回復薬の尽きたシャルウィンが攻撃に耐えきれず倒れてしまった。
これで一騎打ちか。
正面からの攻撃はことこどく避けられ、当たったとしても有効的な打撃を与えられることが出来ない。しかし、それでも諦めずにじわりじわりと相手の体力を奪っていき、最後に放った会心の一撃がディヴァウラーにとどめをさした。
戦闘後、疫病の治療薬の材料となるディヴァウラーの脳(頭)を採取する。
刑務所を後にする前に軽くディヴァウラーのねぐらを漁ってみると、宝箱から魔法の剣(Longsword +1)が見つかった。魔法が掛かった武器でなければダメージを与えることが出来ない魔物もいるだけに、これからの冒険に役立つだろう。
帰還の石の魔力を開放し、ホール・オブ・ジャスティスへと帰還する。
ペニンシュラ刑務所で発生した囚人達の大脱獄事件はこうして幕を閉じた。
ホール・オブ・ジャスティスにて
雇い主であるレディ・アリベスにペニンシュラ地区で起っていた事件の概要及び、治療薬の材料であるディヴァウラの脳を入手したことを報告。
『アリベス、貴方の力になれただけで私は満足です』
なんて格好つけるほど財布に余裕がないので、ありがたく報酬の500Goldを頂く。
さてと、逃げ出した生き物は残り3体。次はどの地区を調査したものか。