ドックス地区 お人よしのマスターソン

 ドックス地区を移動中、街の一角で立ち往生しているマスターソン夫妻と出会った。
 こんなそこかしこに強盗がいる危険な場所で一体何をしているのかと訪ねると、ヘンメル・マスターソンは俺に事情を説明し助けを求めてきた。

 マスターソン夫妻は死が蔓延するネヴァーウインターの街から海路を使って逃げ出すため、カリックという男に船の手配を頼んだところまではよかったが、待てど暮らせど当のカリックが戻ってこない。
 それだけならば騙されたと諦めもつくのだが、問題なのがカリックに前金代わりとして渡したマスターソン家家宝のアミュレット。それだけはなんとしても取り戻したいと、ここでカリックの帰りを待ち続けているらしい。

 たしか、カリックといえば海賊ブラッドセイラーの副長を務める男。となるとヘンメルは騙された可能性が高い。それに、大切にしている家宝のアミュレットとやらも、物によってはカリックから奪い返してそのまま俺の物にしてしまうのも悪くない。

「OK、なんとかカリックを探してみるよ」
「おお、助かります。それならばこれを。カリックが落としていったものです」

 とヘンメルからカリックが落としていったという競売の告知状を受け取る。
 カリックもシーディーの酒場で行われている競売に参加する予定なのか?まあ、酒場にいなかったとしてもカリックの家の場所は分かっているので、そちらを捜索すればいいだろう。

ドックス地区 タモラとホフ

 同じくドックス地区を移動中、ゴールデンアップルINN付近でホフというハーフオークと出会った。

 ホフ・・・ 聞き覚えのある名前だ。

 記憶を辿ると、前にムーンストーン・マスクの奥の間に遊びに行った際、娼婦のタモラからホフという嫌な客がいて困っている、と悩みを打ち明けられたのを思い出した。そしてホフが二度と店に来ないよう懲らしめてほしいと頼まれたことも思い出す。
 頼まれ事は忘れない方なのだが、ただ働きになりそうだった事と、「あんたみたいな不細工と話なんてしたくないわ」といわれたショックですっかり忘れていたようだ。
 ・・・あ、思い出したら涙が出てきた。

 一応引き受けた仕事だし、仕方ない、やるか。

 ホフにタモラからの使いだと証明するため、彼女のブローチを見せ一言、

「わかるな、死ね」

 と単刀直入に用件を伝える。

 それを聞いたホフは慌てふためいていたが(そりゃそうだ)、俺に対して苦し紛れの取引を持ちかけてきた。

 ふむふむ、200Gold出すからそのブローチを売ってくれと?どうしたものかな。

 どうせタモラの依頼を遂行してもただ働き、よくてもっこり一発(古
 ここは金を出すというホフの取引を受けてもいいかもしれない。

「OK、分かった。ブローチをお前に売ってやる。そして見逃してやるよ。」

 Goldと引き換えにブローチをホフ手渡す。
 ホフは俺からブローチを受け取ると下衆な笑い声を上げながら、これからタモラに降りかかるであろう災いを愉快そうに語りだした。
 ・・・なんか、こいつうぜえな(自分棚上

「おっと、ホフ。忘れ物だ」
「ん?なん・・・グワァ〜」

 問答無用でホフを斬りつけ、殺害する。

「恨むならタモラをうらむんだな」

 と責任転嫁は忘れない。

 ホフの遺体からタモラのブローチを取り返す。
 これでタモラの前にホフが現れることは永遠になくなった。

ムーンストーン・マスク タモラの部屋にて

 依頼の成果を伝えるためにムーンストーン・マスクのタモラの元に向かう。

「最悪だわ!誰かが私のブローチをホフのヤツに渡したのよ!」

 部屋に入るなり、少々錯乱気味のタモラの声が聞こえてきた。
 この女、ブローチがホフの手に渡ったことを何故知っているんだ。もしや俺に密偵でも付けていたのか?

「安心しろタモラ、ブローチならホフを殺して奪い返してやったぞ」

 そう言ってブローチをタモラに渡す。勿論、俺がホフにブローチを売り渡したことは喋らない。

 ブローチが戻ってきたこと、なによりホフが死んだことで、タモラはかなり喜んでいるようだ。
 いまならいけるかもしれない。

「タモラ、少し話さないか?」
「いやよ、あんたみたいな不細工と話す気にもならないわ」

 ・・・むくわれねぇ(涙

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