ブラックレイク地区 とある民家にて

 - 本箱の裏側には秘密の抜け道が隠されている -

 よく耳にするカラクリだが実際にお目にかかるのはこれが始めてだ。

 この地区の住人から聞き込みをしていた時、ある家の軒先で一人の少女が遊んでいた。
 少女は俺の姿を見るなり

「おぢちゃんだ〜れ? わるいひと?わるいひとはお家の下にとじこめちゃうんだからね」

 といってきた。

「ううん、”お兄さん”は悪い人じゃないよ。ところで、お家の下に何かあるのかい?」

 と、一部訂正して少女に問いかける。

「うん、本箱の後ろになにかあるの〜。ひみつのことばをいうと本箱が動くの〜」

「へ〜、その秘密の言葉をお兄さんに教えてもらえるかな?」

 少女はすこし考えたふりをしたあと、

「しょうがないな〜、でもママにはないしょだよ。は・る〜・えす、っていうと本箱がうごいて後ろにいけるの〜」

「そうなんだ〜(ニヤリ) お兄さん、君のママにお話しがあったんだった。ちょっとママのところにいってくるね」

「うん、またね〜」

 少女と別れた私は彼女の母親から話を聞くべく、彼女の家を訪れることにした。

 少女の家にお邪魔して母親のテルマから詳しく話を聞く。

 それは彼女が数日前に本棚を掃除していた時のこと。
 一冊の古い本にはさまっていた覚書き。その覚書きに記されていた言葉を口にした途端本棚が独りでに動き出し、地下へと続く入り口が現われたのだという。そして、その地下通路にはどうしても開かない扉があり、奥からは奇妙な音が聞こえてくるらしい。

 もしかして扉の向こう側に何か潜んでいるのでは・・・。
 そう思うと不安でたまらない。
 それが彼女の悩みのようだ。

 テルマから正しい秘密の言葉を教えてもらい、本棚の前で秘密の言葉を口にする。

 「ハ・ル・エ・ス」

 すると本当に本棚が動き出し、その裏から地下へと続く階段が姿を現した。

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