ブラックレイク地区 メルダネン邸にて

 メルダネンの屋敷に潜入することに成功した俺は穀物庫の鍵を入手すべく屋敷内の探索を開始した。

 現在地はメルダネンの寝室と思わしき部屋。
 この寝室を少し調べてみると、机の引き出しから鍵(メルダネン邸.西棟の鍵)が見つかった。
 とりあえず持っていく。

 寝室を出て周辺の部屋を調べていく。
 そのほとんどが物置部屋として使われているようだが、一室だけ書斎として使われている部屋があり、そこでメルダネンの日記を発見した。
 日記のほとんどはメルダネンの研究に関するメモで埋め尽くされていたが、ごく最近の記述には非常に興味を引く事柄が記されていた。

 日記によれば、メルダネンは数日前、街中を彷徨っていたウォーターディープの生物ドライアドを偶然発見。自分の屋敷に連れ帰り保護した。
 無論それは善意からではなく彼自身の研究材料とするためなのだが、美しい容姿を持つ森の妖精ドライアドに彼は徐々に心惹かれていき、やがて完全に彼女の虜となってしまったようだ。そして彼の愛を受け入れてくれないドライアドは檻に閉じ込めておく、とも書かれていた。

 メルダネンが最近若く美しい女性を傍らに置いているという噂は聞いていたが、それがドライアドだったとは驚きだ。
 メルダネンがドライアドを愛してしまったのは、おそらくはドライアドが彼を”魅了”したからだろう。この美しき森の妖精は気に入った男を魔法の力で魅了し、樹の中へと誘い込むと聞いたことがある。ただこの場合は自分の身を護るためだろう。
 なんにせよ、この屋敷でやることが一つ増えたな。

 廊下を進んで行くとやがて正面玄関のある部屋に着いた。

 そこにいたグロミンと名乗る少々頭の悪そうなハーフオークの番人は、こちらの質問に対してなんの躊躇いもなく答えを返してくれる。
 いま俺が通ってきた来た場所は東棟とよばれ、主に倉庫として使われており、西棟には盗人を捕らえている場所(牢屋か?)があるらしい。メルダネン本人は下の階にある私室に篭りっきりのようだ。

 一通り話を聞き出した後、グロミンに全て忘れろと言って忘れさせる。
 これでよし。

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