ムーンストーンマスクの女主人、オファラ・チェルダース・トルンから請け負った仕事に関する記録。

■ガウディの小像

 アンドロッド・ゴールデン卿が屋敷に隠し持っている女性の小さな像がターゲット。

 アンドロッド邸はドックス地区の北西部にあり、屋敷の前には門番が立っている。
 だが門番はどうもやる気がないらしく、あっさり通行許可をもらって屋敷内へと入ることが出来た。

 本職のローグならばこっそり忍び込み目的の品だけ頂いてずらかるなんてことも出来るかもしれないが、あいにくそっち方面のスキルは全く持ち合わせていない。
 侵入者を排除せんと襲い掛かってくる護衛兵をばったばったと斬り伏せながら屋敷内を荒らしてまわる。
 やっていることは押込み強盗と大差ない。

 やがて屋敷の北側通路に面した部屋の奥で小動物のようにびくびくと震えるハーフリングを発見した。
 どうやらこの男がこの屋敷の主人アンドロッド・ゴールデン卿のようだ。
 前々からオファラに監視されていたようで、心身共に疲れ果てているように見える。そして俺がオファラからの刺客であることを察しているのか、さきほどから必死に命乞いをしている。
 その姿に多少なりとも哀れみを感じた俺は、近くの棚から目的の物「ガウディの小像」とこの屋敷のマスターキーだけを頂き、そうそうに帰ることにした。
 このまま彼を放っておいても衛兵に通報するようなことはしないだろう。

■レジナルド・ラムボトム三世の肖像画

 ソムズ・ラムボトム卿が屋敷に持っているレジナルド・ラムボトム三世の肖像画がターゲット。
 ちなみにレジナルド・ラムボトムは現当主ソムズ・ラムボトムの祖父にあたるらしい。

 ブラックレイク地区にあるラムボトム邸に向かう。

 ここもアンドロッド邸と同様、屋敷内にいる番兵を相手にしながらの品探しとなった。
 屋敷を南北に二分する中央通路を西へ進み、北の大部屋から物置部屋をいくつか抜けた先の小部屋にこの屋敷の主人であるソムズ・ラムボトム卿はいた。

 彼もやはり俺がオファラからの刺客であることを察しているようだ。
 はったりを仕掛けてくるソドムを逆に脅し返して戦意を喪失させたあと、部屋に置かれていた宝箱の中から「レジナルド・ラムボトム三世の肖像画」を入手した。

■金をかぶせた壷画

 ラムボトム邸と同じくブラックレイク地区にあるホッジ邸。
 この屋敷の主人であるホッジがオファラから盗んだ壷を奪還するのが目的。
 他の二軒と違い盗品を奪い返すという大義名分があるので、気は楽だ。

 いままで盗みに入ったアンドロッド邸ならびにラムボトム邸と違い、この屋敷内にはほとんど護衛兵の姿は見受けられない。その代わりに屋敷内のいたるところに罠が仕掛けられており、少しでも注意を怠ると罠が発動し手痛い目に遭う。

 目的の品「金をかぶせた壷」は屋敷の西側に位置する部屋で見つけることが出来たが、幾ら探してもこの屋敷の主人であるホッジの姿を発見することができない。
 屋敷内にいた料理人の話では俺が押込む数時間前、ホッジはこの屋敷のマスターキーを持って逃げ出したという。
 まあ、目的の物は手に入ったので良しとするか。

■仕事の報酬

 依頼主であるオファラに盗んできた品を渡す。

 報酬はかなり良かった。
 盗み出した品一つにつき 400Gold。三つ全て盗み終えるとさらに400Goldとブーツ・オブ・リフレックス+3と、さすが繁盛店の主人だけあって金払いがいい。また、報酬の上乗せ交渉に成功し、ダイヤモンドを頂いた。

 ただ、アンドロッド・ゴールデン卿の言っていた

「ムーンストーン・マスクの女主人を舞踏会へ連れていくなら、絶対にその妹と一緒に帰るな」

 という忠告が気になるが、その真意は謎のままだ。
 いずれわかる日が来るのだろうか?
 なんにせよ、北方4人衆とまで言われた偉大な冒険者である彼女を侮ってはいけないことだけは確かだ。

DR1373年 6月
 オファラ・チェルダース・トルンから請け負った仕事が全て完了したことをここに記す。

Mayon Shadowtail

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